2006年06月21日
資産の保全
第12回:資産の保全

資産の保全
「資産の保全」という目的は、日本版COSOフレームワークで独自に追加された項目です。金融庁の企業会計審議会内部統制部会の報告書では、資産の保全を「資産の取得、使用および処分が正当な手続および承認の下に行われるよう、資産の保全を図ること」としています。

企業は、事業活動のために、様々な資産を取得、保有、あるいは処分します。資産を取得して使用するためには、資本を投下します。資本とは、投資家が投資した資本金や金融機関からの融資などです。資産の取得、使用が適正に行われなければ、投資家のお金が無駄に使われたり、しなくてもよい借金を負うことになり、結果的に投資家の利益を損なうことにつながります。

また、自社の土地建物や設備などを本来の価値より安い価格で売却することは、会社としては損失となり、やはり投資家の利益を損なうことにつながります。

事業活動上の資産の保全状況をチェックすることは、元々、監査役の役割に含まれていると考えられます。監査役には、「財産調査権」があるからです。しかし、多くの企業では、監査役が本来の役割を全うしているとは言いがたいのが実状です。日本版COSOフレームワークでは、役割を果たしていると言いがたい従来の監査役に対する警鐘の意味も込めて、内部統制の目的に「資産の保全」を加えたとも受け取れます。

なお、資産には、土地建物や設備などの有形資産の他に、知的財産などの無形資産も含まれます。

4つの目的は相互に関連している
内部統制の4つの目的は、相互に関連し合っていると考えられます。

例えば、設備投資や事業活動が法令を遵守して適正に行われているならば、「業務の有効性と効率性」が高いと見ることもできますし、「資産の保全」が図られていると見ることもできます。また、法令を遵守した事業活動の結果得られる「財務報告の信頼性」は高いと判断できるでしょう。

つまり、4つの目的は、それぞれ単独で成し遂げられるものではないということです。言い換えれば、4つの目的の内の1つでも達成されていないならば、他の目的も達成されていないと判断できるということです。

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